島の風景と空家をめぐる、ダンス・クエスト  直島劇場 ─”2nd Hand “ This could be http://www.monochromecircus.com/nTheatre プロジェクト『直島劇場』は、公演期間中の4日間、島全体を一種の「祝祭/劇場空間」に仕立て上げることを目指している。しかし、それは大掛かりな「イベント」や「スペクタクル」ではなく、日常の延長の視線から島を訪れた鑑賞者の身体の内側からいつの間にか「祝祭/劇場」に出くわしていることに気付くような出来事を目指している。    「日常」であれ「観光」であれ「鑑賞」であれ、出来事を「observe/観察」する主体である「鑑賞者」そのものが、自身の振る舞いや行動の選択肢を考え、与えられた<場>の使い方に対して、一種のサバイバル・スキルを発揮するような経験を経ずして、既に文字通りの意味での「経験」は滅んでいるだろう、というのが私の仮説である。   私は根源的な意味で<場>をつきつけられるパフォーマンスを提出したい。 パフォーマーの身体の存在によって束の間現れる「そうであったかもしれない」世界を直島の様々な場所にダンサーやWSによる一般参加者と共に、埋め込みたいと考えている。  「そうである」作品、ではなく「そうであったかもしれない」世界を幻視すること。  島の風景とそこに暮らす人々、そしてそこに入り込んだダンサーやアーティストが取り組むのは、新しく「モノ」や「劇場」を作ることではなく、直島全体を「劇場」として捉え、「身体」を介して日常生活のルーティーンを少しズラしたり、風景をささやかに異化したり、不在の場となった「空き家」などのもっている「そうであったかもしれない」構造を明らかにすることであったりする。  6月から9月にかけての創作プロセスの中でもダンサー達は「空き家」や「屋外」に出かけ、踊り、試す。空き家の掃除をしたり、ある時は大工もどきの仕事も必要になるかもしれない。たぶんそこには一種滑稽だが、一方ではっとするようなオルタナティブな空間との関わりが、偶然そこに出くわした人々も巻きこんで形成されることになる。 プロジェクトの「拠点」として、「家プロジェクト」が展開している本村の「東部公民館」、及び「元直島診療所」を想定している。  東部公民館では主にダンスワークショップ及びリハーサルを行い、「直島劇場の拠点」とする。  「元診療所」には、ダンスカンパニーMonochrome Circusとクリエイティヴ・ディレクターの服部滋樹、そしてプロジェクトのコアメンバーが滞在し、かつ、「そうであったかもしれない」不思議なダンス・パフォーマンスをつくります。 また、本村の一軒の「空き家」では、服部滋記の指揮の元に、廃屋の残骸を極力排除して家の構造のみを残し、清新なパフォーマンス空間として蘇らせつつ、ダンスによって新しい息吹を吹き込みます。 1/ 「診療所」と「空き家」をつなぐ動線上、 2/ さらに港や空き地などのさまざまな空間 3/ できれば、高松や宇野港を発するフェリー乗り場やその周辺など、 4/ 直島を周回しているバス 公演期間中は、様々に「ひそやかに」ダンサーをしのびこませる予定です。 自然光、村の音、通りから見える風景、かつて機能を果たしていた空間、内と外を隔てていたもの。それらを身体を通して解体、編集し、新たなBODY SCAPE「身体の風景」をつくります。 Monochrome Circus 坂本公成